あらすじ



"ようこそ、私の愛するアリア=レコードへ。"
"私はエメラリーン。"
"ここは、この世界で起こった一つの物語を保存する場所。ここではある程度大まかな話を致します。"

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第一章

「自分の意志のない人間は、生を受けて間もないに等しい」

始まり「少年がエクソシストになるまで」

この世界には「悪魔」がいる。正式名称はディアモ・イレイアと言うのだが、そんなこと人々は知らない、だがその恐ろしい外形からそれらを「悪魔」と呼ぶのだ。そして悪魔を退治する機関、メルデヴィナ教団の「魔魂武器使い」のことを人々は勝手に「エクソシスト」と呼ぶ。

1話「少年と忌み子」
文明の行き届かない場所にあるとある小さな村。そこにトーレという、村の住民から村八分にされている少女がいた。ある日、彼女は家の裏で人が倒れているのを発見する。彼はアンリ・クリューゼルと名乗り、教団本部のあるヴァルニアを目指している途中だと語った。
その村の近くにある「黒の森」を行く二人のエクソシスト、彼らの名はアーサー・エルフォードとアルモニカ・フリィベルという。二人の任務は元教団員ローセッタ・ノースを見つけ連れ帰すことだった。そのさなか、アルモニカは何かを感じ取り村へと向かう。
村に突如悪魔達が現れた。対抗するすべを持たない村人達は逃げ惑い隠れる。しかしアンリはトーレを隠すとたった一人で悪魔を倒してしまった。彼はエクソシストだったのだ。しかしその後感謝されるでもなく、過去になにかあったのか、悪魔が村を襲ったのはエクソシストが来たからだ、彼を引き入れたトーレが悪いなどと責められ、彼はトーレをかばいつつ村を後にする。去る時、トーレはアンリに”お願い”をした。森の魔女、ローセッタを助けて欲しいと。
[アンリ・アルモニカ・アーサー・トーレ・エメラリーン・イサアク初登場]

2話「森の魔女」
村に着いた教団の二人は、先程までここにエクソシストがいたと知る。疑問を持ちつつ、暮れ始めた森を二人は急いだ。
アンリは昔、”先生”と呼ばれる人物に連れられてローセッタに会ったことがあった。ローセッタは小さな家にいた。そして彼女は、魔魂武器を使用し続けることによる副作用「武器化」に侵されていたのだ。アンリに様々なことを示唆し、彼女はまだ諦めるつもりはないと言い残して去って行った。
アーサーとアルモニカが家に辿り着いた時にはもう誰もいなかった。その時偶然傍にいたアンリを捕獲する。そして任務を遂行できなかった代わりに彼を連れ帰ることにした。魔魂武器使いは貴重なのだ。
[ローセッタ初登場]

3話「教団のエクソシスト」
色々あり教団本部敷地内の前庭でアンリを取り逃がした二人は、指令室から彼らと同じ3番隊のレイ・パレイヴァ・ミラと少年の戦闘を見守る。
圧倒的実力で追い込むミラだったが、慢心とアンリの我が身を犠牲にする無茶な行動により敗北する。逃げるアンリに立ちふさがったのはアーサーで、一面を凍らせる攻撃にアンリは身動きが取れなくなり、脳貧血で彼の意識は暗転する。
[ステンスレイ・レイ初登場]

4話「3番隊」
医務室でアンリは、3番隊の副隊長と隊長により、3番隊に入隊するより他選択肢は無いと告げられる。アンリの目的は先生に預けられた物をベルガモット隊長に届けること。5年前に記憶喪失となりそれ以外に目的を持たないアンリに、これに従わない理由など無かった。同席していたグレイヤー4番隊隊長は”亡霊の災厄”などと意味深なセリフを言い残して去る。
アンリが怪我から殆ど回復した頃、アルモニカによって教団の施設や3番隊についての説明を受ける。そして3日後に北方スヴェーアへの遠征を控えており、アンリもそれに同行することになっていると告げられる。
[グレイヤー・ベルガモット・サクヤ・フレッド初登場]

北方遠征編「冷たい卵を孵してはいけない」

思慮深く、人とほぼ見わけのつかない悪魔も存在する。しかし彼らが憎まれるべき悪魔であることに変わりはないのだと、悪はあちらで自分は善なのだと、人は言い聞かせるようにその言葉を信じ続ける。

5話「闇夜の列車」
”ドラゴンの卵”を列車に積み込む運び屋がいた。
北方の大国スヴェーアへと向かう列車は無数の悪魔に襲われ、3番隊と5番隊第4班と第5班はそれと格闘していた。エクソシスト隊と一般隊との差を見せつけられたピヨっ子レインとフレッドは重火器を背負ったメリゼル班長により保護される。
列車の屋根の上でアンリとアーサーは暫く1型低級悪魔と戦っていたが、この悪魔は”卵”に由来するものだと気付き卵を探し始める。しかしようやく見つけた時には全ての卵はアルモニカによって破壊されていた。
悪魔の卵を返すには、「ハッチャー(hatcher)」と呼ばれる存在が必要だ。この列車の中にそれがいることは確かなのだが、結局それも分からないまま列車はスヴェーア帝国の首都アレクセイエクスに到着する。
[レイン・メリゼル・ルート・ケイト初登場]

6話「便利屋」
時は少し遡る。
霧の街マリュデリアに「便利屋」と呼ばれるグループの事務所があった。そこでゆったりと時を過ごすその構成員ローザとミンの前に、突然シリスと呼ばれる白衣の男が訪れた。彼は殺伐とした空気と”仕事”を持ってきた。その仕事とは、ある人物の護衛だった。全身黒ずくめで肌の色も髪の色も正体も分からない謎の人物の。
依頼者と同じ列車に乗り込んだ三人は、彼と別室にいた。その時窓から3番隊隊長であるりサード・テトラールキであるベルガモットが突然入ってきた。リンと面識のある彼が言うには、悪魔の卵が孵っている中一番怪しいのはお前たちであるということだ。依頼人が居る筈の客室が空であり、彼を捕まえにいこうとするベルガモットは、依頼人を守ろうとしたリンに交換条件を提示しリンがあっさりとそれを飲むと再び窓から出て行った。
依頼人は「イーリア族」と呼ばれるものだった。ベルガモットとの戦闘で、彼はあっさりとやられてしまったように思えた。
[ローザ・ミン・リン・シリス初登場]

7話「美しい街」
「東で一番綺麗な街」と呼ばれるアレクセイエスク。そこに無事着いた一行だが、現地の支部から連絡が無く早く着いたようだ。サクヤ副隊長の優しさに甘えアーサー以外の二人は街を散策することになったが、さっそくその人の多さにはぐれてしまった。
見た目だけがやたらといいこの街は、一歩裏路地に入ればすさんだ世界が垣間見れる。街を歩いていて突然奴隷商人に捕まりそうになったアンリは、逃げているうちに階級の違う住居区に迷い込んでしまう。そこで初めて黒いフードを被った人物に会うが、彼女はすぐに立ち去ってしまう。彼女は人型の悪魔だったのだ。素手で触れることのできた人間に、彼女は動揺していた。
ローランと言う名の少女が突然、迷子なら案内してあげようとアンリに声を掛けてきた。そうして捕まったアンリは、彼女に町中連れまわされることになるが無事アルモニカと合流した。
ローランとは今回条約の更新に来ていたテトロライア王国の第一王女であったのだが、それをアンリが知るまではまだ時間がかかりそうだ。
[リィンリィン・ローラン初登場]

8話「フィルグラード」
支部は首都ではなく隣のフィルグラードにあった。そこで別の任務に出ていたレイと合流する。会談に向かうのはテトラールキである3番隊ベルガモットと2番隊レディ隊長の予定だったが何故かレディはまるで家出のように失踪してしまっていたため、仕方なく2番隊副隊長のイワノフが同行することになった。
目的は会談だけでなく、一般隊と現地隊と本部エクソシスト隊合同で行う演習にもある。チュコ率いる演習隊は、キア洞へと入っていく。
その前の日の夜。黒の森の魔女の家は赤く燃えていた。それを泣きながら見ていたトーレは、いきなり誰かに乱暴に捕えられどこかに連れ去られてしまう。彼らは、ローセッタは死んだというようなことを言っていた。
[レイクレビン・イワノフ・チュコ初登場]

9話「北の死神」
ローザは生まれてからずっと”あの人”と呼ばれる人物を探していた。その人物と似てはいるが別人であるベルガモットに彼女は静かに殺意を燃やし続ける。
キア洞を進む遠征隊だったが、途中見たことのないような何かが頭上を走るのを目撃する。その直後アンリの姿が見えなくなっていた。
悪魔に引っ掛かり深くまで落ちてしまったアンリは、まるで死神のような恰好をした女性グロリアと出会い、二人で地上を目指すことになった。彼女によると、先程のものは彼女がポチと呼ぶ実害の無い悪魔だったようだ。
突如アルモニカは直感でアンリのいる方角を突き止め独断で行動し始める。遠征隊の護衛をレイに任せアーサーが彼女を追いかけた。辿り着いた先には、何メートルもある巨大な悪魔の卵だった。
皇帝との会談の中、若き新皇帝は個人的な依頼をしてきた。それは前皇帝の置き土産である悪魔の卵の処理だった。
[レディ初登場]

10話「気まぐれ」
悪魔に対して異常なまでの殺意を向けるアルモニカは、アーサーが合いの子であると知った上で彼は別だと言い残し卵に攻撃を開始した。そんな中アーサーは大きな蜘蛛のような悪魔がいることに気付く。二人で悪魔を倒すとそれはアンリともう一人を吐き出した。途中で丸呑みされてしまったようなのだ。しかし直後蜘蛛は逃げ、足を一本切り落とすに終わった。卵を見たグロリアはそれを魔魂武器の能力を発動させることで手短に処理した。上から降りてきたチュコの発言により、彼女が2番隊隊長であるレディだと判明する。
今回新しく教団文官になったシャルロットは、何故教団に拘束されているのかは分からないがとある女の子の世話をしていた。。彼女を部屋から連れ出した時、偶然丁度遠征から帰ってきていた本部3番隊に遭遇する。女の子とはトーレ。絶望の縁に立っていたが、”生きている唯一のお友達”に再会できたのだ。
悪魔達の根城でリィンリィンはアンリから貰ったと思い込んでいる花を大切に保管し、姉であるシンシンはペットのエヴィルナーラタの足が切り落とされた嘆いていた。
[シャルロット・シンシン・ルニ・ジェイル初登場]

「迷いと、不安と、そして、ひかり」

オラルト編「なるべくして造られたエクソシスト」

"私"は何者であるのか。そんな単純なことは一部では難解で、自分がどうして今ここにいるのか分からない時もある。

11話「理解できぬ心」
教団本部には「エンジェント・ルーム」と呼ばれる、魔魂武器を視覚化できる空間がある。そこに案内されたアンリは自らの武器ティテラニヴァーチェの姿を初めて見るとともに、ローセッタが武器化してしまった上教団の持ち物になっていることを知る。通常武器使いには自分の適合した武器の声は聞こえるはずだが、彼には聞こえない。
アンリはアルモニカに、作り笑いをし続けていると指摘され、自分について考える。時折思い出す名前も知らない恩師先生の声は、思ったより自分に影響を与えているのだと、我なんて分からないと。
3番隊のアーサーとサクヤ副隊長と5番隊第4班は、ある事件の調査の為に東のオラルト王国の大きな暗黒地帯コリデラ地区に向かった。アーサーに尋ねられ、サクヤは己に宿る”魔人グレヴォラ”と能力について語る。彼女にとって一番はグレヴォラであり、無い両腕は髪なのだ。しかし昔のことをよく思い出せないと戸惑うサクヤに、アーサーは同隊の友人を重ねる。
[エルラ・クルス初登場]

12話「神隠しよりも怪なり」
アンリの夢に毎日現れる部屋アリア=レコード、それは日々変化している。
駅から近くの村までの森で、遠征隊はどこから来たのか分からない街の少女システィーナを拾う。コリデラ地区で起こっている事件とは村長によると、悪魔の仕業で、子供たちばかり一人また一人といなくなり帰ってきたと思ったらおかしくなってしまっているというもの。彼はそう言っているが、教団の相手取る「悪魔」はそんなこと滅多にしないとメリゼルは分かっていた。そんな中、アーサーが誰かにつかまり、サクヤが追いかけたという情報が入ってくる。便利屋のリンが仕事としてやっていたわけなのであるが、その後サクヤとの戦闘でシリスの乱入によりサクヤは敗北し彼女もまた連れて行かれる。
人身御供の生贄にされかけた少年メルヴィスは、眠り続けるシスティーナを看ていたが、彼女は突然発狂したのち目を覚ます。珍しい金髪碧眼の彼女にフレッドはなにか引っかかるところがあった。外を出たところ、レインが泣きながらサクヤが連れて行かれたと言う。最初は泣くだけだったレインだが、大事なことに気付き、フレッドに嘘を吐き一人で助けに行った。

13話「J地区巡回中」
一方3番隊のアンリとアルモニカは、テトロライア暗黒地帯のJ地区と呼ばれる場所を巡回していた。そこに突如現れた3型悪魔に捕らわれたアルモニカを助ける途中、アンリは昔の記憶の一部がフラッシュバックする。その直後アリア=レコードに強制的に意識は送られ、そこでシスティーナと名乗る少女に出会う。彼女は戻った記憶に少し出てきたミクスと呼ばれる人物に少し似ていた。
[ミクス初登場]

14話「テン」
ある施設の地下牢に囚われた村の子供たちを助けるためにアーサーが脱出を試みていた時にテンと名乗る不思議な少女に手助けをしてもらう。彼女は、研究所が初めて成功したクローンのコピーの一人であると言い、研究所側の人間でありながら、”我”を得るためにアーサーたちを助けると言った。
研究所の支部長とリンは、侵入者であるレインに半殺しにされる。そして易々とある部屋の鍵を渡してしまう。
アーサーを守るため、池に突き落とす形で強引に脱出させたテンだったが、ある男に”首輪”により殺されてしまう。そのようなことは微塵も知らないアーサーだったが、池からなんとか這い上がった頃どこからかトーレの声を聴く。
サクヤ、もといエーネの腕でありグレヴォラとの繋がりである髪に鋏の刃が入れられた。
[テン初登場]

15話「さよならエーネ」
サクヤにはグレヴォラは魔人だったが本当は魔魂武器であった。エーネとして施設にいた頃から一緒だったが、髪を切ることで二人は別れてしまう。
キれたレインは研究所内で足止めをしてくる人間を薙ぎながら進み、サクヤを救出する。トーレの声に誘導されたアーサーと合流、しかしここで大きな悪魔と遭遇する。アーサーはすっかりいつもの調子に戻った満身創痍なレインとサクヤを庇いながら戦うもピンチが訪れる。その時彼らを救ったのはサクヤだった。
教団本部からの始末で終わりを迎えたこの事件に疑問を持つものもいただろう。メリゼルはアーサーを呼び、”目を背ける話”をする。
システィーナは遂に、自分が自分でないことに気付く。戸惑うメルフィスの前で、彼女は自分の名をテンと名乗った。

16話「時の巫女」
マリュデリアの事務所でリンは、オラルトでの仕事のもう一人の依頼者であるエネミに尋ねられ、その時のことを思い出す。それにより、運び屋ルトケイが居候することになったのと、エネミがただこの話を聞くためだけに危険な目に遭わせたということを知り憤慨する。
ローザはリュカという”あの人”、もといエネミと再会する。しかし千年の時が彼を狂わせ、ローザは完全否定されてしまう。暫くふさぎ込むローザだったが、ミンに過去のことを話し、エネミを止めると決意を固めた。

17話「塔の目」
魔魂武器を使ってから、他人の心の声が聞こえるようになってしまったトーレはアルモニカに相談をする。彼女の提案でローセッタレンズを取り返し、何とかなったが、アルモニカは過去を思い出してしまう。彼女を見かけたアンリがアーサーに尋ねると、彼から過去のことを聞く。
時が過ぎたある日、アーサーはサクヤから、アンリが東方支部に引き抜かれることを知る。

18話「白百合の華 前編」
異動までの間仕事が無く、暇を持て余したアンリにアーサーが物語を語る。そのタイトルは、白百合の華。

19話「白百合の華 後編」
アーサーの話した話は彼の両親の話だった。アンリは、自分は変わった、過去を思い出したいと話す。
悪魔のリィンリィンは、とある人間への恋心を明らかにする。
1章最終話

第二章

「暗雲、だが、君は大きく変わる」

ユリーカ編「極東の辺境から」

複雑な思いとは裏腹に、ここは実に優しく、温かい

20話「再会」+おまけ「次回予告と恋の話」
リィンリィンは彼の安否を確認しに教団本部まで接近するが、そこである人間の少女と出会う。
アーサーは見た目の変わったテンと再会する。

21話「魔術師」
東の島国ユリーカ。そこでの新たな上司、チトセに連れられて、アンリは手品師退治の任務に同行する。接戦の末、チトセの武器で、手品師の二人を拘束することに成功する。入国直後の話になるが、アンリは東方支部テトラールキのグレイヤーから、自分が召喚された理由を聞く。それは彼の先生と呼ぶ人物の話であった。
[トマリ・ハヴェル・ルイス初登場]

22話「血の武器」+おまけ「4.5話 たいちょーとルイナー」
ハヴェルとルイスと名乗る二人のマジシャンエクソシスト(手品師)から話を聞いた二人だったが、すぐに逃げられてしまう。グレイヤーと合流し、その後なんだかんだによりアンリの武器は『変質』する。
アンリが本部にやってきた頃、グレイヤーとチトセもまた本部にいた。
[ツボミ初登場]

23話「悪夢」
一人の悪魔、変わった体質のヴァルガはある人間に興味を抱いた。
4番隊全員と顔を合わせ、ユリーカ最大の悪魔組織攻略作戦を聞く。
[ヴァルガ・ユハ・ツァイ初登場]

24話「二人の話」
場所は変わって西方のメインライア。3番隊はテトロライア王国主催のパーティの護衛に付くことになったが、突如現れた好戦的な悪魔、シンシンと交戦することとなる。

25話「杭破壊任務」
4番隊は最後の杭破壊任務に臨むが、アンリ、チトセ、ユハの前に強敵が立ちふさがる。名はヴァルガ。少し前からアンリの命を狙っていたようだ。彼女との問答により、先生への信頼と悪魔に対する意識がアンリの中で大きく揺らぐ。
ヴァルガを倒したと思ったのも束の間。アネモネと名乗る二人組の悪魔にアンリは誘拐されユハも身動きが取れなくなる。頼りになるはずだったチトセもヴァルガの術にかかったままで絶望的な状況の中、ユハは本部での訃報を知る。

26話「恋想」
アリアレコードの、エメラリーンが守っていた最後の扉を開く。アンリは遂に、己の知りうる全てを知ることとなった。
囚われたアンリは一部の悪魔たちに暴行を受けるも、その様子を見守っていたリィンリィンによる救出と手当を受ける。なお、この時のことはアンリは覚えていなかった。
ツボミ討伐作戦には4番隊全員が参加、個人的に怒りをぶつけたチトセによりツボミは死亡、彼の能力の効力も無くなり彼の引き連れていた悪魔集団は瓦解した。これを聞いたリィンリィンは一度西部に帰ることを決めた。途中再会したジュディに『種』と呼ばれる存在について言及されるが、彼女には心当たりがあった。

27話「師匠と弟子」
数ヶ月、ユリーカで過ごしたアンリであったが、本部に帰ることとなる。チトセと別れと約束を交わし、アンリはユリーカを発った。

「真実を見つめ、運命を受け入れる力を与えよう」

砂漠の毒編「砂漠の蠍と鼠達」

あなたの主人は砂漠の蠍。手に掛けよ、仲間でさえ。

28話「友」
アンリの乗った、エルドバに向かう列車が盗賊団に襲われた。その際アンリが出会ったのはまさかのアーサーだった。二人は盗賊団を捕まえた後、その盗賊団を乗っ取ったとされる悪魔を討伐に出る。もろくなった遺跡の天井が崩れてしまったことによりバラバラになった二人だが、それぞれで任務を行うことに。そんな中、アンリはトラップに引っかかってしまう。

29話「毒」
シエという悪魔の術にかかりアーサーとアンリは戦うことになってしまう。死闘の末アンリは自ら術をうち破り、シエを葬るが、アーサーには彼の言動に何か引っかかる点があった。
アーサーによると、ベルガモットは死んだことになり、彼は副隊長になったらしいが、ベルガモットが死んだことを認めないと語る。
一方、ベルガモットの話。彼には特殊な兄弟がおり、また昔死んだ婚約者がいた。監禁され精神も肉体も疲弊している中、その兄弟であるシロと和解する。

花編「とても香りの良い花」

世界の真実を知りたいか。けれどそれは、九の命を持つ猫をも殺す。

30話「想い出」
教団本部の資料室にてとある事件について調べていたものがいた。
本部にたどり着いたアンリたち、サクヤやアルモニカにまず再会する。サクヤは母性が芽生えていた。一方アルモニカはアンリの方が身長が高いという事実を飲み込めないようであった。
翌日出かけていくアンリを尾行するアルモニカ、二人はアンリのいう恩師に会いにいくことになった。列車の中でアルモニカはアンリの過去の一部を聞く。話の中に出てきたアンリの名前を知っていた人物に会いに行くもその人物は既に亡き人となっていた。
出会ってすぐ「果し状」を叩きつけて来た謎の少女テンの元へ向かうと、彼女はアンリを「兄さん」と呼んだ。

31話「兄妹」
テンは語った。自分とアンリの関係、そしてアンリの秘密について。何かの呪いによる発作が初めて顕著に現れた瞬間だった。
3番隊全体で久しぶりにとある仕事に当たることになったとサクヤから告げられる。それは本当はもっと昔にこなすはずだった、忘れ去られていた任務、カナソーニャ・ロヴァイ研究所の奪還だった。
リィンリィンは遂に西方悪魔集団から離れ、完全に一人で動き始める。

32話「悩み事」
アンリには悩み事があった。それは、小さい頃親切にしてくれたとある大人。彼女の姿はエメラリーンそのものだった。一方エメラリーンとはアリアレコードで二度と会えなくなる。その女性を殺してしまったという事実に動揺を隠しきれないアンリは夜のヴァルニアに繰り出す。その際遭遇したリィンリィンに秘密を知りたくないかと迫られるも、断った。
次の日任務に出なかったアンリはアルモニカと話をする。彼女の話は先日アンリが帰ってきた日の話と過去の話だった。彼女の母は悪魔に殺されたとばかり思っていたが、実はそうで無いと知り、憎しみで生きることをやめると誓う。同時に、アンリに自分を頼って欲しいと告げるも、彼には響いていないようだった。
黒の森にいたエネミの元を尋ねたジュディ(シロ)とベルガモット。彼らの言う父上とは彼のことだった。ジュディはエネミと縁を切ると、その場を去った。彼らは、新たな主人の元へと向かった。

33話「悪魔の匣の中」
カナソーニャロヴァイ研究所へと向かう一行。乗り込む前日に、サクヤは自分が研究所出身である事、アンリのそうであったと気づいていた事を明かす。
研究所にたどり着いた三番隊は、入ってすぐバラバラになってしまう。アーサーがサクヤと合流した時、彼女たちが怯える何かと対決する事になる。サクヤはそれを、「レル」と言った。
アルモニカが迷い込んだ部屋で、培養槽に入っていた少女は彼女の腕の中で命を落とす。アンリと合流したアルモニカだったが、アンリの様子はおかしかった。
アンリの記憶、ステラがアンリに遺した最後の言葉を思い出す。

34話「罪と罰 上」
すっかり元気の無くなったアンリを迎えに行ったアルモニカ。彼を連れ返すことには成功したが、彼女自身は帰って来なかった。
最上階で出会ったのはエネミ。彼は「花」と言った。だが乱入してきたローザとシリスとミンによりエネミは撃退される。その後、ローザにより悪魔のルーツについて聞く。

35話「錬金術師と時の巫女」
ローザの見せたものは、遠い昔の物語。恋人を生き返らせようとした少年は狂気そのものを体現していた。

36話「罪と罰 下」
死の宣告にも近いものを受けたアンリであったが、同時に、真実を知りステラを殺した罪が浄化されたようにも思えた。
サクヤたちは研究社の現社長シリスと邂逅する。その後研究所は崩壊し、シリスには逃げられる。しかし、サクヤとレイは、確実に世界の闇に気づき始めていた。

37話「静かなる戦い」
ローザに頼まれて教団内部の裏切り者を探すアンリと、教団の腐敗を暴こうとするサクヤ。そんな中、アンリに接触してきたのはレイクレビンという男であった。彼はアンリの先生の秘密を教えると言った。
アルモニカは未だ現実世界に帰れないでいた。彼女は母と出会い、自分の気持ちを再確認する。
[ミカミ初登場]

38話「その心は猫をも殺す」
団長室でアンリは謎の影と戦闘する。アンリ本人はそれが誰か分かっているようだった。しかしそれは罠。彼は濡れ衣を着せられ、追われることとなった。リィンリィンと共に逃げることとなる。
アルモニカは、結局アンリに会うことはできなかった。

第三章

真実と真理

亡霊編「貴方は一体誰だ」

何かが起こっている時は、その裏で何が起こっているか気に掛けておいたほうがいい

39話「彼らの話」
団長が殺害された事件は波紋を呼び、世論が変わりつつあった。エクソシストは危険だと。
アンリと同室だったフレッドは、彼が何かに悩んでいた事に気付いていたのに何もしなかった事を悔やんでいると吐露した。一方アーサーは別の感情も滲ませているようだった。
東から応援でやってきたのはグレイヤー。加えアーサー、サクヤの三人で密会を行っていたが、突如乱入してきたのは謎の赤い二人の女であった。

40話「宣戦布告」
殺害された元団長の組織した裏部隊、ガーディと名乗る女の二人組は、ミカミとミクスと言った。彼らは教団が研究者の傀儡になっている事を指摘した上で、エクソシストVS教皇派で教団を二分する戦争を始めると宣戦布告した。この敗北によりエクソシストが失うのは居場所は地位だけでなく命そのものであると言い彼らは去っていった。
その後、サクヤとグレイヤーのやり取りにより、全ての根元はエネミ・リラウィッチにあるという見解が出る。
アルモニカはちょっとした事件を起こし、仕事ができなくなっていた。中庭でテンと会話するも、彼女に「あなたは大事な者を見逃している。私より幸せ者だけど、不幸者」というような事を言われる。その後、アルモニカはサクヤからある頼みごとをされる。

41話「最初で最後の円舞曲」
テトロライア第一王女フローレンスからパーティに誘われ、アルモニカとアーサーは向かうことになった。
会場でアルモニカは、謎のペストマスクの男と踊る。しかし彼はアンリであった。彼は正式に別れを告げて、アルモニカにエクソシスト章を預けていった。
アンリとリィンリィンは夜行列車に乗り、テトロライアからスヴェーアに向かっていた。

42話「翻る反旗」
ガーディとエクソシストの対立は教団内部全体に周知された。その後の緊急会議でエクソシストは完全にアウェーとなる。不安なサクヤの心を慰めるのはレインだった。
その後、アーサーはアンリを、レイは暗黒地帯の調査へと向かうため、それぞれ東へ。アルモニカはレディ隊長を探しに北へ向かうことになった。
ガーディはモニターで教団本部の様子を観察していた。ミクスは何かやりたいことがあるらしい。この隊の副隊長はミカミではなくレイクレビンの方であった。彼はミクスと共に部屋を後にする。
アンリとリィンリィンはローザの元へ向かい、薬を手に入れると同時に自分達を追っている者の名前を知る。シロとクロと名乗る二人組と、もう一人…

43話「熱」
エネミの元を訪れたメイメイは、彼から赤い石をもらう。それは悪魔の洗脳を可能とする石であった。
アーサーはアンリに追いつくも、彼は自主的に裏切り行動しているのだと言い、二人は激しい戦闘となる。その末アンリに勝つもリィンリィンとは戦わないと言い、アーサーは二人を見逃した。(リィンリィンに見逃された)。この時アーサーは初めてアンリの死期が近いことを知る。

44話「青と赤」
グレイヤーは単身悪魔の根城に乗り込み、マザードールを見逃す代わりにガーディとの交戦で手を出さないという交渉を成立させるも、二番隊隊長のジェイルがマザードールに毒を盛ってしまう。憤慨するグレイヤーに対し、本人は大丈夫だとの一点張り。
アルモニカはアレクセイエスクからフィルグラードへ向かう途中悪魔に遭遇し、彼らを追いかけ単身で集団を相手に交戦することとなった。速さだけが随一の雅京では厳しい戦いになると思われたが、前使用者の確立したモードとは別のモード、雅京の本来の姿で使用することにより敵を捌くことが比較的容易になった。そんな彼女を助けに来たのはレディ。その後彼女の研究室へと向かったアルモニカは「記憶の瓶」を飲み、アンリの置かれた状況を初めて知る。

45話「ゆらぎ」+おまけ「レディと一番隊」
真実を知ったアルモニカに、君は彼を殺せるかと迫ったレディ。しかしアルモニカは、この世界が滅ぶ方を選ぶと答える。少し待つと言い、レディはアルモニカにアンリを追いかけることを進める。花の位置を知っている花守はもういないらしい。そして、レディはアルモニカの母の記憶をアンリに渡したと告げる。
レイが暗黒地帯の調査から持ち帰ってきたのは暗黒点を発生させる機械。それを見たグレイヤーは恐ろしい仮説を立てる。
数時間前サクヤは一人でシリスに会っていた。
おまけ:フィルグラードに帰ったレディと一番隊のみなさんの話。

46話「姉妹と回想」
ミクスはテンに、自分がオリジナルだと告げた後、兄妹喧嘩をしに行くと宣言する。その後テンは、一時帰還していたアーサーに思いの内を明かす。
アンリは以前レディの元を訪れていた際、「ブック」と言うものの存在を知る。助かる方法を調べるため、リィンリィンと二人でそのブックを探していた。

47話「夜曲」
アンリはリィンリィンに確認を取るが、リィンリィンは好意を否定する。それは端的に言うと、リィンリィンが振られた瞬間だった。
その後二人は花を巡りジュディと戦闘になる。彼の強さ、実力差は明白であった。

48話「鬨の声」
ベルガモットがジュティのことを裏切ったお陰で危機的状況を脱しジュディを倒すことに成功したものの、リィンリィンは瀕死状態になり以降同行できなくなる。アンリはベルガモットの言う通り、とある人物の元へと向かう。
ベルガモットは教団内紛の戦場へ向かう。ガーディとエクソシストの戦いが今幕を開けた。
戦火に巻き込まれないよう避難していたシリスは、オウミと呼ばれる男と共に現世を憂いていた。このオウミという男、実はサズ・ホリーであり今回死んだ前団長でもあった。彼が去った後シリスの元を訪ねたアンリに、シリスは「探しものであるブックとはアリアレコードのことである」と告げる。

アリア・レコード編「辿り着いた答えの先に」

使命より、何より、魂を全うすることを選択する

49話「答え合わせ」
シリスによって語られた真実は、驚きに満ちたものだったが突拍子が無いものでも無かった。探し物の正体、アリアレコードの正体、アンリの夢の正体が明らかになると同時に、花守の正体がアルモニカであったこと、そして彼女が命を狙われていることを知る。しかし焦るアンリはシリスによって謎の薬剤を打たれてしまう。
一方戦場では、サクヤとミカミの戦いが繰り広げられていた。劣勢のミカミは自爆を試みサクヤは絶体絶命に陥るも、それを阻止したのはアーサーだった。結局二人は戦意喪失したミカミを放置した。

50話「必ずあなたを」
小国の遺跡、ポルポタにて、エネミとローザの決戦が行われた。観戦していたメイメイの介入により、彼らはザイトンまで飛ばされるも、ローザの持っていた「とっておき」で彼らは永遠を失った。
観戦していたのはメイメイだけではなく、謎の白い服の男もいた。彼は、エネミの持つ解毒薬を手に入れる。

51話「花と花守」
シリスは開花を少し遅らせ、花守の元へと送り出した。
アンリはアルモニカと再会を果たす。その時アルモニカを追いかけていたシンシンに、リィンリィンが死んだと告げられるが真偽は不明だった。結局シンシンはメイメイが信用できなくなり、命令に背き花守を放置しメイメイの元へと向かった。
二人は花畑で真の和解を果たす。最後に、ステラの記憶を見ることにした。

52話「銀色の記憶」
ステラの過去。それは彼女の懺悔の理由と、アンリやミクスのルーツを明確に示すものだった。
現実に戻ったアンリとアルモニカは想いを伝え合い、ステラの最後の願いを胸に、幸せになることを諦めないと宣言した。

53話「使命より何より 上」
婚約者を無くした記憶の蘇るベルガモット、一方彼のことを追うグレイヤー。二人はレイクレビンを見つける。
トーレを人質に取ろうとするレイクレビンだったが、トーレの両親を殺した犯人が彼だと発覚しトーレは彼から離れ、グレイヤーにより捕捉される。


54話「使命より何より 下」
止めを刺せなかったトーレだったが、レイクレビンが復活し絶体絶命のピンチが訪れる。その時彼女の持っていた武器アリアドネが発動し盾となり彼女を守る。その後アンリとアルモニカによって救出された。
一方結界の外に出されたベルガモットとグレイヤー。グレイヤーはヒュールが死んだのはベルガモットのせいであるとして、使命を放棄して復讐を始めた。邪魔が入りグレイヤーの視力が奪われた為にそれは中止となる。過去と今に向き合い、彼らは魂を全うすることは何なのかと問う。

55話「ミクス」
アーサーと再会したアンリは彼と和解する。トーレをベースキャンプに送り届けるアルモニカと、ミクスを追うアンリとアーサーに別れた。
ミクスとアンリは再会するも、ミクスはアンリを殺してマスターに差し出す為に探していた為、また求めるものを与えることができなかった為に和解はできなかった。彼女はその実ミクスでありあのミクスではなく、本当の名前はリュナといった。彼女は比べられいつでも変えが効くと言われてきた中で、彼女は一番に、そして誰かの一番になりたいという思いを抱えていた。結局彼女はミカミの腕の中で眠りにつく。
ミクスの元を離れたアンリは、見覚えのある人物を目にする。


56話「紅い目の男」
レイはセラを倒し、サズに邂逅するも彼の話を聞いて何をすることもできなかった。レイに手を差し伸べたレディは結界の中の時を止め、またサズの手助けをしていることを認めた。レディは知っていることを話すと言ったが、突如悪魔が大量に湧き出しそれどころではなくなる。
アンリはサズと結界の中で決戦をすることになった。彼は、花の呪いを解除する方法を持っていたが、それをそれをする為にはサズの血を持ちレコードへ向かうことが必要だと言った。

57話「アリア・レコード」
最終決戦。結界の中に入ろうとするアルモニカと、柱を視るグレイヤーを守りながら、彼らは戦う。
結界の中では、アンリとサズによる戦いが行われていた。サズは、アンリが彼を止められなければ彼と関わった人物や武器使いたちをみな始末することを予定していると言った。しかし圧倒的な力量差、今のアンリには到底敵わない。果たして、彼はサズを止めることができるのだろうか……