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【鬨の声】


 ねえ、ロイド。あなたは正義なのですか?
「分からない」
 あなたは悪なのですか?
「……分からない」
 どうして、そんなことを言うのです。いや、何故かなんて、ボクには分かっている……
「私には、リリーとパトリシアがいる」
 分かってる。
「私には、部下達もいる」
 分かってる……
「レイ、すまない……」
 もういい、もういいのです。ボクも、こんなことを聞いてごめんなさい。
 ……また会いましょう。暖かい空の下、四人で。それだけを約束しましょう。
「……ああ」




 今度こそ本当の正義だと思った。ついていくに相応しいと思った。……けれど、違った。いや、あなたが変わっていったのではない、ボクが変わるべきだった。
 きっと正義とは、誰かに決めてもらうものでは無いのですね。

 ボクが信じるのは己なのです。

 でも不思議、もっとずっと昔から、ボクは誰かの正義に頼っていたような気がするのです。
 今は気にしないでおこう。
 高らかに鳴り響いた鐘の音、反響する鬨の声、ボクは武器ヴィクトリアーラの使い手、正義の為に戦う戦場と勝利の女神。

「行くのです!最後の戦いを!勝つのです!生きて帰る為に!クロウ・ベルガモット、サクヤ・ロヴェルソンに続け!見せろ我々の強さを!」

 生きて帰る為に。ロイドと、家族とまた幸せに暮らせるように。


(本編に続く)



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